入社前の研修の必要性や目的について
企業からの入社の内定を受諾した新卒採用者に対して、入社前に研修を行う必要性や目的にはどのような内容があるのかを見ていきましょう。
内定者の不安解消や内定辞退の防止
新卒採用者の場合は、一般的に内定式から入社式までに約半年間あります。内々定が出てから、1年近くの期間があるケースも稀ではないでしょう。
自分に適した仕事なのか、自分がこの会社でやっていけるのかなど不安に感じる内定者もいます。心変わりをして内定を辞退するケースも。
入社前の研修を通して、人事や同期となる内定者の仲間とコミュニケーションを取ることができます。このため不安の解消や、モチベーションの維持を図れるでしょう。内定辞退を防止する効果も期待できるので、少子化で人材不足の中で入社前の研修は必要性が高くなる傾向にあるのです。
必要なスキルを身につける
入社後に正式配属もしくは仮配属までの間、新入社員研修を実施するケースはこれまでも多く、企業によっては数か月間に及ぶこともあるでしょう。
入社前の研修の目的として、企業としては入社後早く戦力になってほしい考えや、OJTで教えられるレベルまで基礎となる必要なスキルを、入社までに身につけておいてほしいなどの考えがあります。
内定者も希望する部署や職種に配属されたいため、必要なスキルをできるだけ得ておきたい思いがあるでしょう。
社会人としての意識を育てる
社会人になるにあたり、学生気分のままで入社するのは避けたいですよね。内定の期間も入社後も法令を守るのは当然のことなので、ルールや倫理を守る社会的良識を意識した行動が必要になります。
入社前の研修にて、社会人としての意識を育てて準備を始めることも重要でしょう。
入社前の研修で有効な方法について
入社前の研修にはいくつかの方法があります。いくつかのケースについてお伝えしていきましょう。
集合しての研修
一箇所もしくは地域ごとに集合しての研修は、直接対面してコミュニケーションが取れるメリットがあります。
でも交通費や宿泊費などの費用が掛かる面や、スケジュール調整などの面からも頻繁に実施するのは困難かもしれません。このため内定式に合わせて、入社前の研修を実施するケースは多いでしょう。
e-ラーニングなどオンラインでの研修
以前は書籍や資料を配布して自宅で学ぶスタイルでしたが、学習状況の把握が困難なことも。近年はe-ラーニングなど、オンラインでの入社前の研修がとても便利で有効です。
e-ラーニングは内定者が自宅に居ながら、好きな時間にアクセスして必要な研修内容を選んで受講ができます。会社の担当者も受講状況や設問の解答などで、理解度を把握することが可能になるでしょう。
入社前の研修としては時々オンライン会議で対面して、講義やコミュニケーションを取るのもよい方法でしょう。
OJTでの研修
OJT(On-the-Job Training)での入社前の研修を実施するケースもあります。希望する内定者に対してインターンやアルバイトなどという形で、数日間実務体験しながら学ぶ時間を与えます。
仕事をする喜びを知り、職場の雰囲気に慣れる様々な取り組みも可能でしょう。同期の内定者同士や先輩社員との交流を深めることができて、自分自身がどのようなスキルを磨く必要があるのかを理解できるようになります。
入社前の研修でお勧めの内容
入社前の研修内容は、企業や業種によっては語学力など様々なものがあります。中でも基本となるお勧めの内容についてお伝えしていきましょう。
パソコンのスキル
スマホやタブレットをよく使い、パソコンに不慣れという学生も増えています。でもパソコンを扱う業務が多いのが現状でしょう。
Excel・Word・PowerPointなどのソフトを使う基本操作は、特に重要なスキルになります。基本操作ができる人も、高度で便利な操作を覚えるなど応用範囲を広げるとよいでしょう。
入社前の研修でパソコンスキルのベースとなるタイピング練習も、併せて取り入れるようにすると効果的です。入力速度を高めておくと、仕事の効率を上げるのに役立つでしょう。
社会人として基本スキル
入社前の研修で、社会人としての基本スキルを学ぶことも大切です。会社の規則や社会のルールなどコンプライアンス遵守の教育や、ビジネスマナーを習得するのは入社前の研修に最適です。
内定期間から社会人としての意識で行動し、信頼される社員として仕事に取り組む上での基本スキルを高めるケースもあります。
まとめ
入社前の研修でスキルアップや、社会人としての準備を進めることはとても大切です。内定から入社までの期間を有効活用するために、内定者の目的意識を高めることが重要になるでしょう。