AIと生成AIの違いについて
生成AIは人工知能(AI)の一種ですが、新しいコンテンツを生成できる以外にも、AIとは違う能力を持っています。ではAIと生成AIの違いを詳しくご説明していきましょう。
従来のAI
これまでのAIは、人間が与えたデータを学習して、その中から適切な回答を判定したり予測したりしていました。
つまり、あらかじめ決められた範囲内での行為を、AIが自動的に行うことが役割だったのです。このため、AIが人間のようにクリエイティブな成果物を生み出せるわけではないでしょう。
生成AIとは
生成AIは深層学習と呼ばれるディープラーニングにより、AIが自ら学習を重ねてその中で見出したデータの特徴や関係性をインプットしてコンテンツを作成します。
そして自らが得た学習成果から、新しく創造をすることができるでしょう。生成AIが注目されるようになったきっかけは、2022年11月の米OpenAI社による「ChatGPT」の公開です。
ChatGPTの高度な文章生成能力により、生成AIに対する関心が一気に高まりました。
AI・機械学習・ディープラーニングについて
生成AIを理解するうえで、似たような意味を持つ「AI」「機械学習」「ディープラーニング」という言葉の区別、そして意味の把握もしていく必要があるでしょう。
AI
AIの一種である生成AIは、機械学習の手法の1つであるディープラーニングにより知識を積み重ね、オリジナルのコンテンツを生成できるようになったAIの一種です。
人間の脳が普段おこなっている、認識や思考そして判断や学習をコンピューターでも同じように再現しようとする技術をAIと呼びます。
例としては自動車の自動運転や音声アシスタント、そして顔認証システムやチャットボットなどが挙げられます。
機械学習
機械学習とはAIに大量にデータを読み込ませて、ルールやパターンを学ばせます。そしてこの成果に基づき、未知のデータの予測や判断ができるようにした技術のことです。
別名で「マシンラーニング」とも呼ばれていて、手法としては「教師あり学習」「教師なし学習」「強化学習」の3種類があります。
教師あり学習とは、問題および正解となる情報を与えて学習させる方法です。教師なし学習とは、問題のみを与えて正解となる情報を与えずに学習させる方法のことです。
強化学習とは、正解のない課題に対して機械が試行錯誤を繰り返して最適な行動をするように学習させる方法を言います。
ディープラーニング(深層学習)
機械学習の手法の1つです。人間の脳を構成する神経細胞「ニューロン」の構造と働きを模倣して作られたモデル「ニューラルネットワーク」のうち、入力されたデータの分析を担います。更に、この層の数を増やして複雑な情報処理を可能にしたもののことです。
生成AIを活用する際に気をつけるポイント

生成AIは便利なツールですが、使い方を間違えることによりトラブルになる可能性もあります。このため気をつけるポイントを把握してから、上手に活用していくのが理想的でしょう。
回答を鵜呑みにしない
生成AIが出した回答を鵜呑みにすることにより、困るようなケースもあります。真偽が定かではない情報や、市場の現状やトレンドに即していないような古い情報を回答として出す場合もあるでしょう。
そして倫理的に問題のある表現をすることがあるかもしれません。このため回答内容は、必ず人間がしっかりとチェックをする必要があります。このうえで修正や調整をしていくようにしましょう。
著作権に抵触するコンテンツ生成
特に画像生成AIや音声生成AIについては、著作権に関して細心の注意を払うようにしましょう。
生成AIは著作権に対して問題のない、全くのオリジナルコンテンツを生み出せる場合もあります。
でも、あるイラストレーターが作成したイラストを無断でAIに学習させて、似たような作品を量産するような行為は、著作権に抵触するので絶対にしないようにしましょう。
企業秘密や個人情報の入力
企業情報や個人情報のような機密情報を生成AIに入力すると、第三者に漏洩したりAIの学習データとして二次利用したりするリスクがあります。
このため機密情報を含むデータは、生成AIのプラットフォーム側へのデータ提供をオプトアウトする、もしくは法人向けのプランにグレードアップしてセキュリティを強化して安全な環境で利用するようにしましょう。
まとめ
AIと生成AIの違いについては、AI自身が新しいコンテンツを生成できるか否かと言えるでしょう。
このため様々な場面で活用していける可能性のある生成AIが、注目されてユーザーが増えているのです。
でも全て生成AI任せにするのではなく、人間のチェックや得意分野を活かすことをしっかり行うようにしたいですね。