資格は多ければ多いほど就職や転職に有利?
資格マニアといわれる人たちは、難易度の高いものからほぼ誰でも合格できるようなものまで、実にさまざまな資格を持っています。 しかし、それらすべてを履歴書に記入したとしても、就職先・転職先の業種において直接役立たない資格に関心が寄せられることは、あまりありません。 せいぜい、その努力や向上心を買われる程度で、会社の戦力となる決め手には直結しないのではないでしょうか。 つまり、資格は数ではなく質、いかに就職先や転職先の業種で使える資格を持っているかどうかが、企業にとっては重要なのだと思います。
本当に履歴書に書くべき資格とは?
まずどこへ行っても強みとなるのは、間違いなく国家資格です。 もっと言えば、医師・薬剤師・弁護士など、専門性が高く、これがないと業務が成立しないという「業務独占資格」です。 これはどんな業種に転職するにしても一目置かれ、有利に働きます。 しかし、民間資格だからダメということではありませんし、多くの資格を取得することを否定するわけでもありません。 重要なのは、自分が就きたい業種で役に立つかどうかです。 たとえば、IT企業への就職・転職でフードインストラクターの資格をアピールしても、あまり意味はありませんよね。 そして、どちらかというと趣味寄りであまり実用的でない資格も、ほぼスルーされて終わりと考えたほうがいいでしょう。 持っていれば確実に転職に役立つ資格とは? だとすれば、どんな業種にも必要で応用がきく資格を取って履歴書に書くほうがいいですよね。 では、どんな資格を取得すればいいのでしょう?
パソコン関係
現在はどんな業種でもパソコンを使います。 オフィスワークに限らず、たとえば個人経営の商店や農家などでも、伝票や書類などの作成はほぼ手書きではなくなってきていますよね。 つまり、パソコンが使えないと話にならない時代を迎えつつある、ということです。 そういう点からも、各種パソコン検定やタイピング検定の受験をぜひおすすめしたいと思います。 タイピングの速さや正確さ、ワード・エクセル・パワーポイントやインターネットの使用といった基本的なスキルがあれば、たいていどんな業種でも、戦力になれる可能性は少なくともゼロではなくなるはずです。 特に、MOS(Microsoft Office Specialist)の資格取得は就職・転職に有効に働くと考えられます。 「パソコンが使えます」と一言でいっても、どの程度使えるのかわかりにくいですよね。 使える、使えないの基準は人や企業によって異なるため、上記のようなマイクロソフト社のソフトを使う技術の習熟度がわかる資格があれば、選考の決め手としてより明確になります。
語学関係
就職先・転職先の企業がどの国や地域との取引があるかにもよりますが、持っていてまず間違いないのは、英語の資格です。 お互いに相手の母国語を話せなくても、世界共通語として英語を話すことができればたいていなんとかなるからです。 大企業やサービス業に限らず、現在では中小企業や農業などの分野でも、海外の取引先を持っていたり、外国人労働者の受け入れをしていたりと、外国語を活かせる場面はたくさんあります。 私たちが学生時代から馴染みのある英語の資格といえば英検ですが、日本国内でしか通用しない資格なので、海外を視野に入れているならTOEICのほうがおすすめです。
おわりに
就職や転職に役立つ資格をこれから取得するという場合は、次のことに留意しましょう。
目指す業種に必要な資格をリサーチ
求人票や会社説明会で得られる情報だけでなく、自分からも求められている人材やスキルなどの情報を収集した上で、必要な資格を見極めましょう。
学習時間の確保と継続
たいてい、資格を取ろうとしている人は学業や仕事のかたわら学習をすることになりますよね。 まずは、そのための時間を意識的に確保することと、短時間でも毎日継続していくことが大切です。
時間が作りにくければ就職・転職活動を先にやる
学習がはかどらず資格取得に時間がかかりすぎていると感じるなら、現在の労働環境下では時間がとりにくいのかもしれません。 時間が経ちすぎると、せっかく学習したことも忘れてしまうのでもったいないですよね。 その場合は、まず就職・転職活動を早めに行い、就業してからあらためて資格取得を目指すほうが効率的ということもあります。