イクメンとイクボスについて
イクボス宣言に大きく関わりがあるイクメンプロジェクトと、イクボスプロジェクトについてまずは紹介していきましょう。
イクメンプロジェクトとは
イケメンのワードから派生して、2007年頃から育児に積極的な男性を「イクメン」と呼んで雑誌などで取り上げられ始めます。 2010年に厚生労働省において「イクメンプロジェクト」が発足して、男性の育児への取り組み促進を後押しするようになりました。 「イクメン」は2010年の新語・流行語大賞のトップテンにも選ばれていて、イクメンのワードが広く定着し始めた証でもあるのです。
イクボスプロジェクトとは
イクボスとは、育児を支援する上司(ボス)を意味するワードです。2013年頃から使用され始め、2014年にNPO法人ファザーリング・ジャパンによって「イクボスプロジェクト」がスタートしました。イクメンプロジェクトと関連して、厚生労働省も後押しをしています。
イクメンやイクボスのプロジェクトの背景
少子化や労働者不足などへの対応が社会の課題でもあり、男性が育児参加や家事を積極的に行うなど家庭をサポートすることで、女性への負担を和らげることができます。 男性の育児休業を取得しやすくするなど、イクメンを増やすには上司であるイクボスの理解や支援が必要でしょう。イクメンもイクボスも、女性の活躍を支援することに結果としてつながっているのです。 従業員の育児を含めた生活と、仕事の両立であるワークライフバランスを実現しやすい環境づくりには、上司や組織の取り組みがとても重要でしょう。
イクボス宣言をするためには
厚生労働省とファザーリング・ジャパンが推し進めるイクボスプロジェクトの活動の中で、力を入れているのはイクボス宣言を広めることです。その内容についてお伝えしていきましょう。
イクボス宣言とは
イクボス宣言とは、イクボスとして組織内で取り組むことを広く宣言する内容です。厚生労働省のイクメンプロジェクトの公式サイトから、必要事項を入力してイクボス宣言を行うことができます。 個人としてイクボス宣言をするケース以外にも、イクボスの企業同盟や中小企業同盟・地方版の企業同盟など、広がりを見せていると言えるでしょう。様々な企業だけでなく、各自治体や団体にもイクボス宣言の事例が増加しているのです。
イクボス10か条について
イクボス宣言をするための行動指針がファザーリング・ジャパンによって作成されています。 イクボス10か条とは ・理解 (部下の育児に理解を示している) ・ダイバーシティ (育児に時間を取る部下を冷遇せず、多様な働き方を許容している) ・知識 (育休など社内制度や労基法など法律の知識を得ている) ・組織浸透 (組織内に育児への取り組みの浸透を推し進めている) ・配慮 (育児に取り組む部下の転勤や単身赴任などの人事に配慮している) ・業務 (育休取得などで支障が出ないように組織内の業務遂行の手段を講じている) ・時間捻出 (部下が育児の時間を取りやすいように時間捻出に配慮をしている) ・提言 (イクメンやイクボスの取り組みの重視を会社上層部や人事部門に提言している) ・有言実行 (イクボスの実行により業績アップを実証して、社会への普及に努めている) ・隗より始めよ (上司自身も人生を楽しむためにワークライフバランスを重視している) 上記のように10か条の過半数を満たしていることがイクボス宣言をする目安になっているので、一つでも多く実行できるように心掛けましょう。
イクボス宣言をする効果について
イクボス宣言をすることにより、期待できる効果にはどのような内容があるのでしょうか。イクボス宣言は、従業員にも企業にもメリットがあるのでお伝えしていきましょう。
従業員の満足度の向上
イクボス宣言をして実行する会社や職場で働く従業員は、ワークライフバランスを保ちやすく、働きやすい環境と感じることで満足度の向上につながるでしょう。人材流出の抑制や離職率の改善にも効果が期待できます。 上司との関係性や組織の雰囲気との意思疎通が良くなることにより、モチベーションアップや業務の効率化などができる可能性も。女性も活躍しやすくなるので、更に業績向上の期待が高まるでしょう。
企業イメージのアップ
イクボス宣言をすることや、イクボス企業同盟などとしてPRできる内容は、企業イメージのアップにつながります。子育てに理解がある会社として、求人採用や取引先との関係性においてもメリットにできる要素でしょう。 このためイクボス宣言をする企業や団体が、最近では増加傾向にあるのです。
まとめ
イクボス宣言をする効果や重要性を把握することはとても大切です。イクボス宣言も、今後の日本社会にとって更に必要性が高まるでしょう。 NPO法人ファザーリング・ジャパンでは、「イクボスが増えれば、社会が変わる」というスローガンで普及に努めています。 「イクボスドットコム」のWEBサイトで、イクボス宣言をした企業や自治体などが紹介されています。