「IT」「ICT」とは?
ITとはInformation Technologyの略称で、情報技術のことです。
一方、ICTというのはInformation and Communications Technologyの略で、情報通信技術のことをいいます。
どちらも意味はだいたい同じですが、厳密にいえば、ITが情報技術自体を指すのに対し、ICTは情報通信技術の使い方を指すという違いがあります。
海外ではどちらもICTとして認識されているため、日本でもITよりはICTという表現が定着しつつあります。
検索サイトでの情報検索、SNSなどでの情報共有、各種webサービスの利用、ネットショッピングなどは、ICTの発展によって可能になったものです。
そのほか、学校の授業でタブレットを教科書やノートの代わりに使ったり、観光地でフリーWi-Fiを使ったりすることを可能にしたのも、ICTといえます。
その他のICT利活用

テレワーク
テレワークも、ICTによって成り立っています。
時間や場所にこだわらない柔軟な働き方は、長い目で見れば生産性向上や労働人口確保、地方創生といった社会全体のメリットにつながります。
サイバーセキュリティ
ICTは、サイバー攻撃がより巧妙になってきている近年において、一層安全なネットワーク環境の構築に向けても役立てられています。
混雑状況の可視化
観光地などの目的地の混雑状況の可視化も、ICTの活用によるものです。
各所にカメラやセンサーを設置してデータを得ますが、個人が特定できる情報は削除されてからクラウドに集約され、クラウド技術やAIエンジンなどを使用して、情報が提供されています。
混雑する場所や時間、時期が分散することで、ピークシフトや感染拡大予防などの効果が期待できます。
医療・介護
超高齢化社会における社会保障費増大、少子化による生産年齢人口減少などの問題も、ICTで解決していこうという動きがあります。
すでに、医療情報の安全で円滑な共有、遠隔医療、医療の安全性の向上、業務の効率化などが、ICTによって進みつつあります。
教育
教育現場でも、いつでもどこでも、だれでも最先端の学習ができるよう、クラウドなどを活用したローコストのICTシステムの構築がなされています。
また、ICTは、新型コロナウイルス感染症や災害などの非常時に学校に通えなくなった児童・生徒が端末を持ち帰り、自宅で健康観察やオンライン授業などを受けられる環境を作るのにも貢献しています。
こうした、コミュニケーションを絶やさず、学びを止めず、孤立化させない環境の構築は、今後さらに拡大していくと考えられます。
防災
防災の分野でも、ICTによって、迅速・正確な災害情報伝達手段の普及・拡大、防災情報の高精度化、防災拠点での無料Wi-Fiの整備といったことが進められています。
「IoT」とは?
IoTというのはInternet of Thingsの略称で、日本語では「モノのインターネット」ということになります。
ここでいう「モノ」とは、エアコンや冷蔵庫、スピーカー、ライトなど、これまではインターネットとは無縁とされてきた製品を指します。
コマーシャルなどでよく見聞きする「スマート家電」といわれる電化製品に、このIoTが使われています。
特に、Wi-FiやBluetooth、赤外線通信などで家電や照明をスマホと接続して家電を操作する「スマートリモコン」は、近年導入する家庭が増えつつある代表的なIoTといえます。
スマホに入れたアプリで外出先から自宅のエアコンの電源を入れたり照明をつけたりするなどの操作が可能で、家電を使用するごとにわざわざリモコンを持ち替える煩わしさも解消できます。
また、IoTは、自宅で留守番をさせているペットや、離れて暮らしている高齢の親の様子を遠隔で確認するなどの「見守り」を可能にしている技術でもあります。
ただし、IoTの導入には、
・常時インターネットに接続している必要がある
・最低でも数千円以上の初期費用がかかる
・Wi-Fiや赤外線の届く範囲内に設置する必要がある
・メーカーのメンテナンスやサーバーダウンなどによって一時的に利用できなくなる場合がある
などの注意点があるので、デメリットも考慮した上で決断することをおすすめします。
おわりに
ICTやIoTは、現代社会に高い利便性をもたらす技術として、すでにあらゆる場面で導入されています。
自分の生活には関係のない難しいこと、というイメージを抱きがちですが、実際はこのように、ごく身近な技術として私たちの便利な暮らしを支えてくれているのです。
ICTもIoTも、さまざまな分野で提供していくべきサービスを実現していくために、今後もさらなる需要が見込まれている技術といえます。