社員が「仕事がはかどらない」と思う理由
社員が「仕事がはかどらない」と感じる理由は、個人の能力や意欲の問題だけでなく、組織の仕組み、職場環境、そして業務設計に深く根ざしていることが多くあります。ではこちらの内容を詳しく見ていきましょう。
「業務の多重構造」と「優先順位の不明確さ」
目の前の業務が多すぎたり、緊急度の高いタスクが次々と割り込んできたりすると、今何に集中すべきかが分からなくなり、結果的にすべてが中途半端になりやすいです。
複数のプロジェクトやタスクを同時に進行せざるを得ず、一つの作業に集中できる時間が極端に少ない場合もあるでしょう。
上司や同僚からの急な依頼や会議などが多く、計画していた作業が頻繁に中断されます。チームや部署間で、どのタスクが最も重要で緊急性が高いかの認識が合っていない場面も。
結果として集中力が途切れ、タスクの切り替えコストが増大し、生産性が大幅に低下するでしょう。
「情報とツールの非効率性」によるボトルネック
必要な情報やツールにすぐにアクセスできない、またはツールの使い勝手が悪いなど、業務を進める上で必要なインフラが整っていない状態です。
必要なファイルや過去のデータが整理されていないため、探す時間に多くの時間を費やすでしょう。
使用しているPCやシステムが古く動作が遅い、またはソフトウェア間の連携が悪く、データの移行や入力に手間がかかります。
目的やアジェンダが不明確な会議が多く、意思決定が下されないまま時間だけが過ぎるでしょう。
結果として本来の業務ではない「準備作業」や「待ち時間」によって、実際の作業時間が圧迫されます。
「目的意識の欠如」と「成果が見えない仕事」
自分が取り組んでいる仕事が、最終的に組織や顧客にどのような価値をもたらすのかが不明確であるため、モチベーションが湧かず作業に身が入らない状態です。
誰でもできる単純な作業が延々と続き、自分のスキルや能力が活かされていないと感じるでしょう。
頑張っても成果が正当に評価に反映されないため、努力する意味を見失うことも。目的ではなく手段だけを指示され、自律的に判断して仕事を進める余地がない場合あります。
仕事に対する内発的な動機付けが失われ、指示された最低限の作業しか行わなくなるでしょう。
「過度な心理的負担」と「精神的な疲弊」
職場の人間関係、上司からのプレッシャー、あるいは過重な責任など精神的なストレスが原因で集中力や思考力が低下している状態です。
職場の雰囲気が悪く、気軽に相談したり質問したりできない環境にあるでしょう。些細なミスでも厳しく罰せられるため、ミスを恐れて行動が鈍るケースもあります。
慢性的な睡眠不足や疲労により、物理的に脳のパフォーマンスが低下する人もいるでしょう。
そして思考がクリアにならず、判断力や決断力が落ちて業務のスピードが低下します。
社員の仕事がはかどるために企業側ができること

社員が「仕事がはかどらない」という状態を解消し、高い生産性を発揮するためには、企業側が環境、仕組み、意識の面から積極的にサポートすることが不可欠です。ではこちらの内容を詳しくご説明していきましょう。
「集中時間」を確保する「業務設計とルール」の導入
社員がマルチタスクや突発的な割り込みに煩わされず、一つの重要なタスクに深く集中できる時間と環境を制度として設けます。
毎日特定の時間帯を会議や不急の連絡を原則禁止としましょう。「集中作業時間」として設定し全社的に遵守させます。
緊急度の高い連絡手段と、そうでない連絡手段の使い分け基準を明確にして安易な割り込みを防ぎましょう。
全社員に対して業務の優先順位付けのフレームワークを教育し、上司と部下の間で認識を一致させます。
「情報共有インフラ」と「ITツールの効率化」への投資
必要な情報へのアクセスを容易にし、非効率な手作業を自動化するためのデジタル環境を整備しましょう。
過去の資料、マニュアル、決定事項などを一元管理する検索性の高いデータベースを整備し、情報検索の時間を短縮する必要があります。
申請・承認プロセス、データ入力などの定型業務を自動化するツール(RPA、ワークフローシステムなど)を積極的に導入しましょう。
「権限委譲」と「心理的安全性」の確保
社員に仕事の責任だけではなく、それを遂行するために必要な決定権を与えることで、自律性を高め停滞を防ぎます。同時に失敗を恐れず挑戦できる環境を作りましょう。
部署や役職に応じて裁量権の範囲を明確に定義し、不必要な上司の承認プロセスを削減します。
失敗を個人の責任として追及するのではなく、学びの機会として捉える組織文化を構築しましょう。
「仕事の意義付け」と「貢献度の可視化」
社員が自分の仕事が組織全体や社会にどのように貢献しているかを理解できるようにし、内発的なモチベーションを引き出します。
個々の業務が、企業の最終的な目標や社会貢献にどう繋がっているかを定期的に伝えましょう。
部署や個人が達成した具体的な成果や、顧客からの感謝の声などを全社で共有する場を設けます。
目標達成だけでなく、挑戦したプロセスや貢献度も評価に加えることで、ルーティンワークであっても意義を見出せるようにしましょう。
まとめ
社員の仕事がはかどらない理由を把握すると、現状を良い方向に変えていくことができます。
このためにはヒアリングを行い、社員の気持ちを聞く時間を設けるのがとても重要でしょう。