新卒社員が退職する主な理由
新卒者が退職する理由については、どのようなものが多いのでしょうか。ではこちらの内容から詳しくご説明していきましょう。
労働環境・条件への不満
入社前には聞いていなかった残業の多さや、休日が十分に取れない現実に直面し、ワークライフバランスが保てないと新卒社員が判断するケースがあります。特に「サービス残業」が常態化している会社では、不満が募りやすいでしょう。
給与水準への不満
仕事量や責任の割に給与が低いと感じたり、生活していく上で十分な手取りが得られないと感じたりする場合もあります。
新卒のうちは研修期間などで給与が低めに設定されている会社もあるため、不満を感じやすい例もあるでしょう。
福利厚生や待遇の不備
求人票に記載されていた条件と実際の待遇が異なっていたり、期待していた福利厚生が整っていなかったりすると、不満につながるため早期退職の要因になります。
仕事内容・業務への不満
入社前に希望していた部署や職種に就けず、まったく興味のない業務や単純作業ばかりを任されること対してやる気が持てない…と感じるケースもあるでしょう。
「バリバリ働いてキャリアアップしたいと思っていたのに雑務ばかり…」と残念に思う場合もあります。
もしくは「クリエイティブな仕事だと思ったのに、ルーティンワークばかり…」と想像していた仕事内容と現実が大きく異なり、ショックを受けるパターンもあるでしょう。
仕事のやりがい・意義を感じない
自分の仕事が会社全体や社会にどのように貢献しているのかが見えにくく、モチベーションが維持できない場合もあります。
将来のキャリアビジョンが描けず「この会社で働き続けても成長できない」「スキルが身につかない」と入社してから思うケースもあるでしょう。
人間関係の不満
上司や先輩とのコミュニケーションが不足している、相談しにくい雰囲気がある場合に、精神的な苦痛を感じることあがります。このため新卒で入社をした人が、退職を決意する可能性もあるでしょう。
同期や同僚との関係についても、多様な価値観を持つ人たちとの関係構築に悩んだり、孤立感を感じたりすることがあるのです。
新卒社員の早期退職を防ぐための対策

新卒の早期退職は企業にとって大きな痛手です。採用や育成にかかったコストが無駄になるだけではなく、残された社員の士気にも影響を与えるでしょう。
そうならないために、新卒の早期退職を防ぐ対策を詳しくお伝えしていきます。
入社前のギャップをなくす
新卒社員が会社を辞める大きな理由の一つに、「こんなはずじゃなかった」という入社前と入社後のギャップが生じたというものがあります。
このギャップを減らすには、採用活動の段階で仕事の面白さだけではなく、大変さ、厳しさ、残業時間の実態、プレッシャーなども正直に伝えましょう。
ポジティブな情報だけでなく、ネガティブな情報も開示することにより入社後の信頼関係を築きやすくなります。
入社後の手厚いサポート体制を整える
入社後の新卒社員がスムーズに組織に溶け込み、安心して働ける環境を整えることが大切です。
社会人としての基礎スキル(ビジネスマナー、PCスキルなど)や、会社の事業内容、部署ごとの役割、専門知識などを段階的に学べる研修を用意しましょう。
いきなり実務に入るのではなく、不安を解消したうえで自信を持って業務に取り組める土台を作ることが重要です。
良好な人間関係を育む
人間関係の悩みは新卒が会社を辞める大きな要因の一つです。孤立をしないように、良好な人間関係を築けるためのサポートをしましょう。
直属の上司だけではなく、人事担当者やメンターが新卒社員と定期的に個別面談を行い、話をしっかりと聞く時間を確保することが大切です。
仕事の不満だけではなく、人間関係やプライベートな悩みについても相談しやすい「安心できる場」を提供することが重要でしょう。
働きやすい環境とキャリアパスの明確化
長時間労働が常態化しないように残業時間の管理を徹底し、必要に応じて是正をしていきましょう。
フレックスタイム制度やリモートワーク制度など、柔軟な働き方を推進するのも、社員の満足度向上に繋がります。
頑張りが正当に評価され、それが適正な報酬に反映される仕組みを明確にしましょう。新卒であっても、成果に応じた評価があるとモチベーションを維持しやすくなります。
入社後のキャリアプランや、将来的にどのようなスキルを身につけ、どのような役割を担うことができるのか、具体的な成長の道筋を提示しましょう。
これにより新卒社員が「この会社で働き続けることには意義がある」と思い、将来性を感じるため長期的な定着に繋がるのです。
まとめ
新卒の早期退職を防ぐためには、採用から入社後そして育成に至るまでの一貫したサポート体制を整えていきましょう。
ひとりひとりの気持ちに寄り添い、きめ細やかな配慮をすることが重要になります。