シエスタ制度について
欧米などでシエスタ制度の導入がされるようになり、働き方改革や働き方の多様性などともリンクして日本の会社でも一部導入が始まり注目をされています。まずシエスタ制度について見ていきましょう。
シエスタのルーツとは
シエスタのルーツは、スペインなど暑い気候のラテン系南ヨーロッパの風習です。午前中に働いて、午後に長めの休憩を取る生活スタイルから来ています。 プライベートな時間を午後に数時間過ごし、日差しが和らぐ頃から夜にかけて再び働くという働き方と言えるでしょう。昼寝に限ったものではないのが、もともとの「シエスタ」なのです。
企業におけるシエスタ制度とは
企業におけるシエスタ制度の導入には、本来のシエスタのように数時間の長い休憩を設けるケースもあれば、短時間の昼寝に特化した場合もあります。 日本の企業では短時間の昼寝を推奨するシエスタ制度の導入が一般的で、働き方の制度としても設定しやすく受け入れられやすいでしょう。
パワーナップ制度と呼ぶケースもある
シエスタ制度の導入において、「パワーナップ」という用語もよく使用されます。パワーアップと、昼寝や仮眠を意味するナップ(nap)が融合した造語です。 昼寝をして元気を取り戻すといったイメージがありますよね。シエスタ制度をパワーナップ制度と呼ぶケースもあるのです。 昼食後の時間帯に睡魔に襲われて必死に戦った経験は、学生時代から多くの人が経験しているでしょう。 改善する対策方法として、短時間(15分~30分程度)の昼寝の仮眠をすることも有効とされています。
シエスタ制度導入で期待される効果
シエスタ制度を導入することによって、期待される効果について見ていきましょう。ここでは長時間の休憩でなく、短時間昼寝をするシエスタ制度に絞って解説していきます。
生産性の向上
シエスタ制度を導入することで、生産性の向上が期待できます。昼食後に眠気がきてしまい、思考が鈍くなったり、タイピングのスピードダウンや入力ミスをしたりする可能性があるでしょう。 しかし短時間の昼寝をすると集中力や注意力を落とさずに、午後も安定したパフォーマンスを保てる効果が期待できるのです。タイピングツールの練習をする時間や労力を、社員が得ることができる可能性もあるでしょう。 シエスタ制度の導入を考慮して、午前中のパフォーマンスも一段とアップすることが可能かもしれません。
心身のリフレッシュ
シエスタ制度を導入することで、心身のリフレッシュ効果が期待できます。残業や育児など様々な理由で睡眠が不足気味の場合や、午前中の体の疲れやストレスを癒すことにも、短時間の昼寝が効果的に作用するでしょう。 睡眠不足の解消、体力や疲労の回復、ストレス解消など、心身のリフレッシュ効果が期待できるのです。
品質維持や安全衛生面でも有効
シエスタ制度の導入によって、品質維持や安全対策上にも有効と考えられます。昼寝効果で注意力や集中力が保てると、ものづくりの現場では品質の維持にもつながり、安全衛生面においても重要な要素となります。 品質維持や安全衛生面において、ヒューマンエラーは大敵ですが、昼寝のシエスタ制度の導入によって、対策の一つと成り得るでしょう。
シエスタ制度導入における注意点
シエスタ制度の導入にあたっての注意点も把握して、対処することが必要となるので解説していきましょう。
深い睡眠に入らない
シエスタ制度の導入で注意する点は、深い睡眠に入らないことです。15分~30分間のパワーナップに適する仮眠時間として、浅い睡眠に留めることが重要になります。 深い睡眠になりやすい30分を超えないようにして、横にならずに座った状態や、机に伏せた状態がおすすめです。 寝すぎたり15時以降など遅い時間の仮眠をしたりすると、本来の睡眠リズムを崩す可能性があるので注意が必要でしょう。
環境を整える
シエスタ制度の導入する際は、会社や職場によって一斉に時間を合わせた方が良いケース、時間差で取った方が良いケース、当日の体調に応じて希望者だけなど様々な対応が考えられます。 仮眠を取る場所の明るさやリラックスできるBGMなど、部屋の環境をできる限り整えて効果的な仮眠を取りやすくしましょう。 部下が利用しやすいように上司が率先しておこなうこと、業務関係先との応対において迷惑を掛けないような配慮や周知などの環境を整えることも大切な注意点です。
まとめ
シエスタ制度の導入は会社だけでなく、一部の学校でも取り入れられるなど注目されています。 午後の睡魔対策にシエスタ制度の導入はおすすめで、会社や職場に最も適したシステムを検討することが大切でしょう。