研修担当者が悩むこととは
研修担当者が抱える悩みは、研修設計・実施・評価という全てのフェーズにわたって多岐にわたります。では、こちらの内容から詳しくご説明していきましょう。
効果測定の難しさ
研修で学んだ知識やスキルが、実際に現場でどのように活用され、どれだけ業務成果につながったのかを数値化して証明するのが難しいと悩む研修担当者もいます。研修の成果を経営層に納得してもらえる形で報告しにくいと考えるのでしょう。
学んだことの定着率の低さ
研修中は熱心でも、現場に戻ると日々の業務に追われ、学んだことが実践されずに忘れられてしまうケースもあります。
研修とOJT(現場での指導)の連携がうまくいかず、現場の指導方針と研修内容にズレが生じてしまう場合もあるでしょう。
受講者の参加意欲のばらつき
「やらされ感」が強く、受動的な姿勢の受講者もいます。特に階層別研修(管理職研修など)で、参加意義を見出してもらえないことは多いでしょう。
スマートフォンやPCを使って他の作業をする人もいます。このような「ながら受講」を防ぎ、集中力を維持させるのが難しいと悩むパターンもあるでしょう。
研修内容の魅力度と飽き
毎年同じ内容になりがちで、研修内容がマンネリ化しているのではと不安になる研修担当者もいます。
オンライン研修が増えた中で、対面(集合研修)ならではの価値をどう提供するか悩むケースもあるでしょう。
予算と費用のバランス
研修費用に対して、十分な予算を獲得するのが難しいと考えることもあります。費用がかかりすぎることにより、効果を高めるための外部講師や高価なツール導入ができないのが悩みになる場合もあるでしょう。
講師・ファシリテーターの確保と育成
外部講師に頼らず、社内講師の育成や割り当てが難しいことも。特に専門分野の講師は、本業との兼ね合いで時間を確保できないケースもあるため、研修担当者としては講師確保に悩む時もあるのです。
研修時間と業務の調整
受講者や講師が研修に参加するために、現場の業務を調整してもらうことへのプレッシャーを感じる場合もあります。研修が長すぎると、現場からクレームが出ることもあるでしょう。
研修のオンライン化・ハイブリッド化
対面研修のよさは、一体感があり熱意をお互いに感じられるところです。それをオンライン環境でどう再現するかが重要でしょう。
そして、オンラインと対面を組み合わせたハイブリッド研修の設計が複雑で難しいと悩む研修担当者もいます。デジタルツールの導入・運用・サポートに手間がかかってしまうこともあるでしょう。
研修担当者が用意するもの

研修担当者が研修を実施するにあたり用意すべきものは、主に「コンテンツ」「環境」「評価・定着」の3つのカテゴリに分けられます。では、こちらの内容を詳しくお伝えしていきましょう。
研修資料・テキスト
研修資料とは、プログラムの目的、学習内容、演習問題などを体系的にまとめたものです。受講者が後から復習できるように、重要なポイントや概念が明確に記載されている必要があるでしょう。
外部講師を招く場合は、内容が自社の教育方針と合致しているか事前に確認することが大切です。
研修場所と機材の準備
受講者が快適に学習に集中できる環境を整えます。プロジェクター、スクリーン、PC(またはタブレット)などのAV機器が正常に動作するか事前に確認しましょう。
特にPCやタブレットは、タイピング練習をするために必要です。また、オンラインの場合は、安定したインターネット環境と、使用するWeb会議ツールの設定を済ませておきたいですね。
評価・効果測定ツール
研修の成果を測るために、テストやアンケート用紙、あるいはオンラインの評価システムを用意します。
知識の定着度を測る筆記試験や、研修の満足度・理解度を測る受講後アンケート、そして研修後の行動変容を測るためのフォローアップシートなどを準備しましょう。
演習・グループワーク用の備品
座学だけでなく、受講者の積極的な参加を促すために必要です。模造紙、付箋、ホワイトボードマーカー、タイマー、グループ分け用のカードなど。
これらの備品があることにより、活発な議論とアウトプットを促すことができます。オンラインの場合は、共同編集ツールの準備が必要でしょう。
スケジュールとタイムテーブル
研修を円滑に進行させるための詳細な時間割を用意することも重要です。各セッションの時間配分、休憩時間、講師の交代タイミング、演習時間を明確に記載しましょう。
そして研修担当者と講師、受講者全員が共有できるように準備します。これが、時間厳守で研修を進めるための進行管理の土台となるでしょう。
まとめ
研修担当者が用意するものについては、社員が研修へのモチベーションをアップするためにしっかりと考えておきたいことです。
事前にリサーチをして、研修を受ける側の気持ちになって準備をするようにしましょう。